国道20号線を下諏訪から岡谷インター方面に車を走らせたことがある人なら、誰もが一度は「?」と思ったことがあるに違いない手書きの看板「海のジオラマ・ヒトツヤナギ」

どう見ても普通の美容室、の建物にデカデカと書かれた「海のジオラマ・ヒトツヤナギ」手書きの文字が謎を呼ぶ。

しかし、車通りの多い国道沿いの交差点付近に突然登場するものだから、車を路肩に止めてじっくり観察したり、「やってる?」ってノリで気軽に店舗前の一台分しかない駐車場に入ったりするのは少し憚られる。気にはなっても、躊躇する間に通り過ぎてしまう、という方々がほとんどなのではないか。

そんな「海のジオラマ・ヒトツヤナギ」に突撃してきましたよ!

jiorama

溜まっている珍スポットをさておいて、比較的最近訪問したこの場所の記事を発表するのは、なんと!前回の昼神温泉に引き続き、またもMFIO(マイフェイバリットアイロニーオッサン)こと永江一石氏から「いいね♡」をもらってしまったからだ。今回は正真正銘私の撮った写真だから素直にうれしい。一石ったら。

 オーナーの人柄の良さと作品の繊細さに脱帽 

もう、この日はどうしても「海のジオラマ・ヒトツヤナギ」に行くぞ、と朝から意気込んでドキドキしながらの下諏訪入り。美容室の前を通りかかると、ラッキーなことに駐車場は空。さらなるラッキーは続く。オーナーと思しき人物が駐車場の鉢植えに水をやっている最中ではないか。

「あの……海のジオラマを見せていただきたくてお邪魔したのですが、美容室のお客様がいらっしゃらないようでしたら、ぜひ」「いいよー見ていきなー」あっさり。

「あの、小さい子どもも連れて……」「全然いいよー」あっさり。

優しい。まったく面識のない美容室の客でもない謎の子連れに、何の警戒心も見せずに満面の笑みでウエルカムしてくれたこの男性こそ、ジオラマの作者、一ツ柳外吏春さんだ。



レトロな趣のある美容室「ヘアーサロン・ヒトツヤナギ」の店内に、海のジオラマが所狭しと展示されている。店内の風景や一ツ柳氏とのツーショットなんかも撮りたかったのだけれど、娘と二人旅だったため断念。初めて入る美容室と、おさかながいっぱいの展示物にテンションが天井知らずな娘を野放しにはできない状況だ。


「これは西伊豆で見た雲見港の新年のお祭りの様子」と指をさす一ツ柳氏。




新年なので海底では人魚が羽根つきをしている。


大漁旗を掲げる漁船と人々がホント細部までこだわって作られている。全部手づくりなんだって!!


こちらは、所変わって南国のビーチ。




ライブをしているのはローリングストーンズだそうです。


にしては……集客が……とかいわない。


撮影スタッフもいる。




こちらは温泉施設だそうです。


やばいこれ。ずーっと見てられる……。と思っている隣で「おしゃかなかわいい」「とりさんいるかわいい」と覚えたての日本語で訴える娘。一ツ柳さんは目じりを下げ、うれしいなぁとにっこにこだ。すでにコミュニケーション力が母を上回っている。完敗だ。

娘に乗せられた一ツ柳さんは、もっと大きいやつを見せてあげると言い、我々を美容室の奥へ案内してくれた。そこはまさかの住居部分。めっちゃよその家。そしてめっちゃ寝室やん。ベッドあるやん。やばい。やばい。どないしよ。という心配も特になく。

寝室にどーんと置かれていたのは店舗に飾られているものの2倍はあるジオラマだった。










奥さんと二人で見た真鶴の新年のお祭りを再現したもの。


この繊細な船の飾りがすごい!!

 待望の次回作は「リオのカーニバル」がテーマ 

90×50×50ほどの作品を2つ同時進行で、3年ほどかかるという気の遠くなるような作業で作りあげられたジオラマは現時点で20作品ほどになるという。美容室の店頭でみれるものは3作品。今回はご厚意でさらに2つ、普段は仕舞われている作品を見せていただくことができた。

驚くべきことに、このジオラマの題材となる風景は、資料となる写真があるわけではなく、すべて一ツ柳氏の頭の中にある記憶と想像から再現されるのだという。

小さなパーツのひとつひとつにこだわりがあり、キラキラとした瞳で説明してくれる一ツ柳さんからは、海への愛情、ジオラマへの情熱がビリビリと伝わってくる。

美容室の客でもないのに、あまり長居をするのも無粋と思い、「素晴らしい物を見られて感激です。ありがとうございました」と立ち上がろうとするたび、「これがね」「この船の形は……」とさえぎるようにさらなる説明が始まる。「今日は素晴らしいものを見られて、ホントに」というフレーズは4回ほど発したような気がする。

さらに製作途中のパーツまで見せてもらえた。次回作のテーマは「リオのカーニバル」とのこと。


小さい……。


これは、カフェのテーブルと椅子になるそうです。


南の島のブティック。乙女心がときめく。




サーフショップ。


ジュエリーショップ。

 
これらのパーツは最終的に重ねられて、一つのショッピングモールになるのだそう。屋根もつけるので、これだけ細かく作っても部屋の内部は窓から少し見えるだけ。

南国の海辺と情熱的なリオのカーニバルを再現したいので、人々の数も歴代最多になる予定とのこと。群衆の衣装も特徴的なものになるため、完成はいつになるか予想もつかないそうだ。

「最近では考えただけで億劫になって、ちょっと手が遠のいているんだよねハハハ」と一ツ柳さん。

いやいやいや。どうですか?リオオリンピックまでに間に合わせるってのは!

完成、楽しみにしております!

ライター ミワアヤノ | Facebook