駒ケ根といえば、その昔、天竜川に河童が生息していた……という伝説があることで有名らしい、ので、おもしろかっぱ館に行ってきました。行かざるを得ない、ここまできたら。

 おもしろ、というよりやたら熱いかっぱ達のいる「おもしろかっぱ館」


まず、建物がかっぱである。




タイトル……熱い。おもしろかっぱ館 というネーミングに似合わないくらい熱いし、シリアス
 


なんか安心感あるわー

大人200円という極めて良心的な入館料を支払うと、半ば強制的にビデオの前へと移動を促される。そこにあるのはパイプ椅子とブラウン管テレビ?使えるのこれ?である。


使えてる!!


ここで駒ケ根河童伝説「かっぱの妙薬」について紙芝居形式での説明がある。地元の小学生が制作した、というがいつの時代の小学生かは謎。

先客の親子連れが特等席で食い入るように眺めているのをみて、家人が「変わった親子だよねー」と微妙に聞こえるだろそれ的なボリュームで発言するので、かぶせるように「あぁ!あっちに可愛いかっぱ!みたーい!」とデカめの声でけん制。小走りに奥の展示室へと向かう。

この時点での私のポジションはただの、しんとした視聴スペースのまえで大声を出す空気の読めない河童好きである。だし、そうでなくても我々だって相当変わった家族に違いはない。


え!日本各地にこんなにかっぱスポットが……















西津作品がシリアスすぎる。どうした。




かっぱで考えさせるのやめて。



かっぱ密集系や、お色気や、キュート系の作品が並ぶ中、ひときわ暗澹たる空気を放っているのが西津作品のかっぱ達である。何があったの西津さん。かっぱに熱いメッセージ込めすぎだしテンション違いすぎて浮いてる。

 だんだんカオス化してくる、かっぱ館の半地下 フロア

階下のフロアに降りるとさらに展示室が。「かっぱの妙薬伝説の資料がありますよ」と受付の方に教えてもらったのだが、なんとビデオをちゃんと見ていなかった……しまった。

慌てて展示室の解説を読むと、どうやら、その昔かっぱを助けた人がいて、お礼にかっぱ界につたわる痛風のくすり「かげんとう」のつくりかたを教えてもらった。以後そのかっぱの薬を販売し、財を成した的な、そんな伝説……と思ったら、なんと本当に現実世界で、「かげんとう」は販売されていたらしい。これが現代だったら、即、科学的にエビデンスがないって拡散されて炎上する案件かもしれない。


なんかすごいね。昔って。




そんでなんかわかんないけど、唐突にこういったスペース。








なんかこう、また唐突に襲ってくるこの雑な実家感。


したら、「あ、オレこれ持ってた。実家にあった」とか言い始める家人。まさかのかっぱノスタルジーに浸る。家人、養蚕にしろかっぱにしろ、駒ケ根と親和性高すぎでしょ。










そんでまた、唐突にぶっこんでくるメッセージ性。




この絵に見覚えがある人は昭和育ち。私なんかもれなく歌える。いーけるけるけるけるっ♪ 

ちなみに先ほどブラウン管を食い入るように見つめていた親子の母の方が、しきりに「昔、黄桜っていうお酒のCMで……」と子どもに説明していたので、同世代か年上確定。




私はなんかこのかっぱちゃん達が可愛くて惚れた。


家人は虚ろな瞳でじっとこの絵を見つめていた……なにやら心当たりがあるらしい。


娘はなんかこれ見て大興奮。






またこの雑な実家感。

すえた匂いの漂う館内には、これでもかという数のかっぱ達であふれ返っている。お気楽なものから、重たいカルマを背負ったものまで。あなたのお気に入りのかっぱもきっとみつかるはず!と、紋切り型で締めておくことにする。


近隣には河童道祖神やら


かっぱふれあいセンターなどがある。かっぱとふれあえる?……はずもなく


かっぱにちなんだものといえばこれくらいで、あとは地物野菜がならぶのみ。


かっぱいた!とおもって、よく考えたら普通のゴミ箱。かっぱを見すぎて、かっぱの毒気にやられた気分だ。