快晴!だけど強風!のなか、張り切って乗り込んだ船は名実ともに「竜宮城」でした……船に乗り込み向かうはイルカ島です。

 中華料理屋っぽい船で行く鳥羽湾クルーズ 

こちらの記事のつづき

市民の森公園のガリバーすべり台では、娘きょとん、家人苦笑い「すべり台が出落ちですべる」というかつてない状況に微妙な空気が流れたものの、お魚遊具やミニ動物園でご機嫌マックスな家族を引き連れ、いざ「鳥羽マリンターミナル」へ。
鳥羽湾巡りとイルカ島
近代的な造形が逆の意味で不安を煽る 

鳥羽湾巡りとイルカ島
あ、よかった!安定のクオリティだ!

公園で遊びすぎて、出港時刻ギリギリに到着した我々を待ち構えていたのは黄金に輝く浦島太郎そのひとだった。

鳥羽湾巡りとイルカ島
 テンションが上がってデッキに駆け上がると、巨大乙姫様

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島鳥羽湾巡りとイルカ島
内装の壁画

鳥羽湾巡りとイルカ島
なんていうか……我々貧乏人が想像するところの、高級中華宮廷料理店のような船内

どうしてだろう。この色彩感覚に心がざわつく。この感じこそ、私の求めていた世界だったり……するんだけど……

家人は半笑いだが、娘は初めてのお船に興味津々にっこにこ。よかった!あれ!よくないかな!人生で初めて乗る船がこれって。

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島
カモメが近いなーーー

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島
我々をイルカ島に残し、去っていく「竜宮城」……ありがとう!こうして離れてみると、しゃちほこ多!!

 イルカ島全体を包んでいるゆるい空気

20分ほどのクルーズを経て、辿り着いた「イルカ島」その昔、「イルカ島」という言葉を二十歳までに覚えているとうんぬんかんぬんという都市伝説があったけれど、本当だったらば鳥羽の若者は壊滅状態だ。当のイルカ島は、そんな噂を知ってか知らずか、実にゆる~い空気を纏っていた。

鳥羽湾巡りとイルカ島

タイムスリップ感のある食堂や売店、スタッフの少なさ、島の狭さ、自販機のHOTの売り切れ率の異常な高さ、どれをとっても「営業努力」という言葉とは無縁のゆるい世界。放っておいても船が自動的に客運んでくるんだから的な雰囲気が素敵。

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島
唐突に物騒

鳥羽湾巡りとイルカ島

一転、アシカのショーが行われるプールへ向かう道のりの厳しさが全然ゆるくない。1歳半のこどもを抱えてのこの坂道はまったくゆるくない。頂上まで7~8分だが、体力に自信のない方のために300円で往復リフトも用意されている、んだが、一人で乗れない子どもを抱えて乗るのはNG。幼児連れの親にはまさかの恐怖スポットだ。イルカ島の都市伝説よりおそろしい。

坂道を登る人々の中には、ベビーカーを抱えている夫婦や、幼児を連れた妊婦もおり、世の親御さんの元気さ健脚さに驚愕。どれだけ運動不足なのだろう私。高齢出産のデメリットをまざまざと思い知らされたひとときだった。

足がっくがくなんですけど。

鳥羽湾巡りとイルカ島
でも、登り切ってからみる景色は良いものだ。

なんでも、頂上のリフト搭乗場付近に縁結びのパワースポット、「ハートロックベル」というものがあったらしいけれど、徒歩でいくにはさらに急坂を登り続ける必要がある。子連れだからリフトに乗りたくても乗れなかった人間は、もう子供いてんねんから縁結びとかええやろ、と突き放された気がしてさみしい。

鳥羽湾巡りとイルカ島
イルカ島のかもめ劇場でアシカのショーを見るっていう……

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島

また、このショーがね、すごい。すごいつつがない。

お色直しが4回とかある結婚式で、祝辞とか余興とかサクサクサクサク進んで、あーつつがなかったなって、今日の式は本当につつがなかったなーって思うときあるでしょ。軽くそれの10倍はつつがないからね。 私も長年生きてきたし、色んなイベントに立ち会ってきたけれど、人生でベスト3に食い込むほどつつがなかった。もうスタッフの喋りがつつがなさすぎてぜんぜん頭にはいってこないっていう。わけわかんないかもしんないけど、行ってみて、ほんと、このつつがなさは一見の価値があるよ。見たら絶対思うから。あ、つつがないな。って。

そして、また件の急な坂道を下り、次はイルカショーを見にいくことに。ショーまで少し時間があるとのことで、8畳くらいのガチでミニマムなミニ水族館(入場無料)をぶらぶら。

鳥羽湾巡りとイルカ島

そういえば、「竜宮城」にて、「右前方に野生のスナメリが並走しています」という放送があったのだが、スナメリって何?だし、水しぶき的なものが少し確認できたかできないかくらいの感じだしで、謎のままだったのだけど、ここでまさかの再会。しかも遺骨。

鳥羽湾巡りとイルカ島
ナマコのおさわりは有料。しかも指一本のみ。二見シーパラにも見習わせたい身持ちの硬さ

そして、メインのイルカショーだが、めちゃくちゃ狭い6畳ぐらいのプールを囲んでの立ち見という斬新な手法で観客どうしのふれあいを演出してくれていて、しかも当のイルカたちにやる気がみじんもない。

こんなにやる気のないイルカたちを見られるのは日本広しといえどもイルカ島だけだろう。本気で全然成功しないし、気まずい間をこれでもかと見せつけてくるイルカと焦るでもないスタッフ。ゆるい。

通常であれば、観客たちも思わず応援せざるを得ないような悪くない雰囲気なのだろうが、この日は強風で、娘の表情も終始曇りがちな寒さだったので、家人の横顔から発せられる疲労と呆れと最早若干イラッときている空気を迅速に察知した私は早々に引き上げ室内で船を待つことを提案した。

鳥羽湾巡りとイルカ島
 そしたら、またなんか変なの乗ってるやつ来ました。 

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島
どこかの島が、かの三島由紀夫の傑作「潮騒」の舞台になった……とか船内放送で言っていたが識別できず。

鳥羽湾巡りとイルカ島
どっちがメインなのか

鳥羽湾巡りとイルカ島

鳥羽湾巡りとイルカ島
船内の天井画がラッセンっぽい

鳥羽湾巡りとイルカ島
虚ろな瞳のマーメイド。デッキの人魚と統一感なさすぎる作風も見どころのひとつ。

行きの「竜宮城」は日本のおとぎ話なのにチャイナ風だし、帰りの「フラワーマーメイド」はデカすぎるカモメのオブジェのせいでコンセプトが曖昧だし、イルカ島は寒いし、坂道急だし。家人は心なしか言葉数少なにうつむきがちだったが、ブログネタを手に入れた私と船の旅が気に入った娘のテンションは異様に上がっていたので良しとする。

伊勢神宮での強歩大会、娘による魅惑のミッドナイトおしゃべりタイム、公園での疾走、イルカ島の親殺しの坂、様々な要因からくったくたに疲れ切ったため、私の頭の中だけで密かに予定していた「大観音寺」参拝はあきらめて家路につくことに。

しかし、B級偏愛主婦の罠はまだ終わっていなかった!

感動の最終回」へつづく……