伊勢神宮へ行ってきたら、思ったより楽しかった。というだけの思い出をやたら執拗にレポート。

伊勢神宮へ向かうために山をおりる~プロローグ~


10年間山中にこもり、すべてを悟ったツァラトゥストラは「神は死んだ」といいましたが、山ごもり4年目、神様どころか自分の方向性すら見いだせず、のたうち回っている私でございます。こんにちは。

最初に言っておきますが、私は俗にいうスピリチュアル的なことに対して、どちらかといえばアンチな思想を持っています。


でも、あえて、式年遷宮に沸く伊勢神宮に行ってきました。


ただ、行って楽しかったよっていう話をしたいだけなのに、なんでこう、やれ、パワースポットだご利益だと、やいのやいの言いながら殺到する世のおばちゃんらと一緒だと思われたくないだけのために言い訳をしているんだろうという自己侮蔑の念にあえぐ気持ちを抑えながら、淡々と書き残しておきます。

後半に進むにつれ、徐々に増える画像と上がるテンションをお楽しみください。 


式年遷宮で賑わう伊勢神宮への道 これでもう駐車場難民になんかならない 


さすが天下のお伊勢さんでございます。とりわけ人気の高い内宮付近では、午前9時ごろから、すでに駐車場待ちの渋滞が発生。普段から人間よりも虫や小動物と出くわす確率のほうが高いくらいの、山から降りてきた私にとっては致命的。禊ぎ祓いを目的にやってきたというのに、直前にイライラ邪心の渦に飲み込まれ、一回の参拝くらいではどうしようもないほどの禍々しい念をこれ以上溜め込むわけにはいかないのです。

と、いうわけで参考になったサイトがココ

伊勢神宮内宮周辺駐車場の満空情報が随時更新されている優れもの。中でも河川敷にあるB5、B6駐車場は穴場。参道からそんなに離れているわけでもなく、軽い散歩程度の距離なのに、待ちもなくスムーズに駐車できました。土曜日なのに。

伊勢神宮地図

伊勢市HPより


やっぱり混んでる伊勢神宮・内宮 


内宮(ないくう)って読むんだね。うちみやだと思ってた。と感心しながら、(だって諏訪大社がはるみや、あきみや、だから)参道へ向かう橋を渡ると、すでにものすごい盛り上がりよう。軒を連ねた出店から、あまーい、香ばしい、こってりとした。もう色んな香りが鼻腔を刺激してくる。

うっとりしながらキョロキョロしている、場合じゃない。まずは参拝、参拝なのだ。これ以上、世俗の欲にまみれるわけにはいかない。なんせこちとら禊ぎ祓いに行くんですから。押し寄せる卑しい食欲を振り解きながら、参道を早足でグングン歩いていきます。

伊勢
 ぞろぞろぞろと聖者の行進

なぜなら伊勢神宮は出雲大社と並んで、聖域の最上位にあげられるほどの超、恐れ多きスポット。穢れた人間が近づけば、たちまち神の怒りに触れご利益を得るどころか人生最悪の状態まで叩き落とされ、その先に待つは死あるのみ。だと、テレンス・リーが言ってた

国内でもトップクラスの、「清らかな気持ちで、清らかな身体で、参拝すべき」場所。テレンス・リーの忠告に震え上がった小心者の私は、しかと一張羅のジャケットを装備。単なるミーハー小旅行の予定が一転、テレンス・リー氏の危機管理コーディネートによってガチモードに。

周囲の参拝客もやはりガチ。鳥居を通過する前に、立ち止まり一礼。またぞろ鳥居が見えたら、立ち止まり、一礼。見よう見まねで、何度も立ち止まり、一礼。を繰り返しながら、本殿に近づいていく。寂れた湖のボートのりばに一列に並んで繋がれたスワンボートが強風にあおられ、こくんこくんと頷いてる光景を思い出して、ふふ、となりつつ行進は続く。

そして、ヒンヤリとした空気に包まれながら、いよいよ本殿へ。なんというありがたい光景!!式年遷宮バンザイ!!

っていうか、元をしらないし。そもそもがどういうものかわかんないから。恥ずかしながら「言われてみれば、なんか新しい感じだ!」くらいの感想しか出ず。そう思いながらも、参拝をしてまいりました。



数多ある神社仏閣のなかでも全国最大規模といわれている敷地を歩きまわって、若干足は疲れたが魂は澄み渡る気分で参拝は終了。随所で大木にしがみついてうっとりしている若い女性の団体やら、橋の欄干にあるスライムみたいな形のやつ(擬宝珠)を代わる代わる撫でまわし続ける中高年のお姉さま軍団など、ナゾの集団行動に怯えながら、今度は鳥居を出るたびに、振り返ってペコリ、振り返ってペコリ、を繰り返しながら、出口へ向かう。

先ほどの一礼に、振り返る動作が加わることにより、慣れない私はより一層モタモタしながら進んだ。しかし私の前を歩いていた背広姿のおじさま達は、全員そろって、颯爽たるターンを決め、ビシッと止まってスマートに一礼。彼らのキレのある流れに感服する。露わにされた頭頂部にはお天道さまの御光が乱反射し、それはそれは形容し難いまでに高貴な美しさだった。ハアハア。


そして、俗世の業に身を沈めながら、街を散策 


境内の写真が取れなかったのは、私の後方を歩いていた団体客を先導する案内人が「神聖な場所ゆえ、撮影はお控えくださるよう」と何度も口にしていたから。多くの民はスマホやらデジカメを高く掲げ、キャッキャとはしゃいで撮影を楽しんでいた。しかし、参拝のプロフェッショナルがそういっているわけだし、私とて象徴的な存在に対する、畏怖の念は一応のところ抱いている身。と、気の小ささが露呈する形で、そっと一眼レフは背中に回しておいたのです。

晴れやかな気持ちで神宮の敷地を抜けると一転、騒然たる欲望の街。これまで神妙な面持ちで別天地を拝んできた人々とは到底思えない。甘味、揚物、焼物などに群がる民によって長蛇の列ができている。

伊勢
 人がゴミのよう、な、おはらい町

せっかく日本でもトップレベルといわれる聖地にて禊払い、魂を磨いた帰りだというのに、欲望に浸食されるこの有様に人間の業をみた。なんと嘆かわしい。なんという、なんという……



じゃーん。まっつさかうしぃ~! いやっほーぃ。

伊勢
 初めて食べるブランド牛に俺騒然


人里離れた山中で清貧生活を営む者としては、口にする機会などなかったブランド牛。恐れ多き、松坂牛。電波にのって流れてきたあいまいな情報によると、昨今の偽装表示問題によって、客に伊勢エビを食べさせることで人気の施設などは軒並み「思いっきり値上げ」を敢行しているという噂。

そうなると、私の頬張る松坂さんだって怪しいことこの上なく、米国からやってきたミスター・マーツ・ザッカーバーグかもしれない。豪州からきたマッツ・ザカーマンかもしれない。私は何をいっているんですか。

だとしたって私にはわかんないし、うまい。ところで私のたべたものは「松坂牛串」と表記されていた。私の中で「まつざかぎゅうくし」と呼んでいたところ、家人の指摘がはいる。家人の情報によると松阪牛は「まつさかうし」と商標登録されているのだそうだ。じゃあ「まつさかうしくし」か。「まつさかうしせん」かもしれないし「まつさかうしかん」かもしれない。どうでもいい。

赤福という名の普通のあんころもちも食べたしカニクリームコロッケと同じ味の伊勢エビコロッケも食した。頭の部分まで丸ごとついているさんま寿司もいったった。清貧生活なのに、大豪遊だ。これはもう、うちに帰ったらしばらくはお茶漬けやで。

伊勢
 いい感じの路地

ただ、残念だったのは、伊勢神宮・外宮近くにある、伊勢市駅では「モー太郎弁当」が買えるという不確かなを耳にして馳せ参じたものの、取扱いがなかった。中身などどうでもよく、このエキセントリックなパッケージが私の購買意欲をくすぐり倒していたのに。空になったら家人の弁当箱に再利用し、職場にて好奇の視線に晒されるがいい。恥辱の限りを味わわせてやろうか、という野望むなしく、手に入らずじまいで帰路についた。それが無念でならなかった。

モー太郎弁当
 憧れのモー太郎弁当……買えず

伊勢神宮参拝~周辺おたのしみスポット~まさかのご利益!!もこみちと伊勢神宮すげぇ!!編 へつづく


ライター ミワアヤノ | Facebook